研究プロジェクト

大規模トランスクリプトーム計測技術

近年、iPS細胞やオルガノイド技術の発展により、患者由来のin vitro疾患モデルが作製できるようになりました。細胞の機能に影響を及ぼす薬剤や培地、遺伝子などを特定するために、数百から数万検体の細胞に摂動を与えてその影響を調べる表現型スクリーニングという方法の重要性が増しています。しかし、それぞれの疾患モデルごとにアッセイ系を開発することは大変な労力が必要です。また、表現型スクリーニングでは化合物や遺伝子への摂動の影響が様々な生体パスウェイに生じ得ます。

このようなモダンな疾患モデルを利用した表現型スクリーニングを加速するためには、事前知識になしにあらゆるパスウェイを計測できる汎用的なマルチアッセイ系が必要になります。

我々は数千検体を従来の約1/100程度の労力で高精度にトランスクリプトーム解析できる計測手法を開発しました。この方法を使うと、ひとりの研究者が数千から数万のトランスクリプトームを現実的な時間と労力で得ることができます。

この手法を用いて、数千化合物を加えて培養した細胞や、数百種類の異なる培地で培養した細胞、数千細胞株のiPS細胞バンクなどのトランスクリプトームデータを取得しています。我々はこれをWhole-transcriptome based screening (WTBS) と呼んでいます。

​このようなデータは、細胞機能を制御する化合物や培地、遺伝子変異などを高速に同定し、難治性疾患の診断・治療に繋がります。

大規模トランスクリプトームデータからの知識抽出

Whole-transcript based screening (WTBS)で得られた数千から数万オーダーの全遺伝子発現データを用いて、目的とする細胞機能やその制御因子(化合物や培地、変異)などを同定・推薦するデータサイエンス技術を開発しています。


WTBSによる細胞解析では、数千検体の時系列イメージングも同時に計測しています。画像による形態情報とトランスクリプトーム情報を統合した解析技術の開発も実施しています。

主に用いる技術は機械学習、バイオインフォマティクス、ケモインフォマティクス、計算機科学、バイオイメージインフォマティクスが中心となります。

​​次世代ゲノム科学技術の開発

​これまで計測できなかった事象、これまで達成されていなかった精度・規模で生命現象を計測・制御する新しいゲノム科学技術を研究開発しています。アカデミックな研究に留まらず、これまで数々の技術を開発しそれをもとに製品化、起業してきました。今後も技術の積極的な社会実装を目指します。

​イルミナやOxford NanopreなどのDNAシーケンサーや自動分注ロボット、オリジナルの分子生物学反応、独自のアルゴリズム・ソフトウェアを駆使して、新しいゲノム科学技術を開発しています。

研究費

​​これらのプロジェクトの一部は、JST CREST「多細胞間での時空間的相互作用の理解を目指した定量的解析基盤の創出」や理化学研究所との共同研究によりAMED再生医療実現拠点ネットワークプログラム(技術開発個別課題)の一環として実施されています。

これまでの研究成果

 

dritoshi at gmail dot com

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